家族信託に掛かる費用を司法書士がわかりやすく簡単に解説!
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家族信託サービスは、国家資格ではない、家族信託コーディネーター等の民間資格が乱立していて、きちんとしたバックボーンのない事業者が多数存在します。
この点、信託相続先生では、国家資格者である司法書士が中心となり、家族信託サービスを提供させて頂いておりますので、安心して高度なサービスをご利用いただけます。
家族信託に掛かる費用を司法書士がわかりやすく簡単に解説!
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家族信託費用の内訳と相場をわかりやすく簡単に解説致します!
本記事では、高額と言われる家族信託の気になる費用について、その内訳や相場、目安をわかりやすく簡単に解説致します。
WEBサイトや広告等で、とても安く家族信託を提供しているように見えて、実は提携先の費用が記載されていなかったり、○○円~といった表記で、計算式の記載がなかったりと、実際の費用総額はどれくらい掛かるのか、問合せをしないと分からない事業者が散見されます。
どこの事業者がいくらといったことを記載することは出来ませんが、本記事を予備知識としてお持ちいただいた上で、相談ないし依頼先をお探しいただければ、より良い選択が出来るかと思います。
それでは、本題に入りましょう。
費用の内訳をわかりやすく簡単に解説!
専門家等報酬の内訳と相場
家族信託をサービスとして提供する事業者へ支払う報酬です。
家族信託の報酬は、大分類すると、家族信託組成と登記手続きの二つから構成され、その他の附帯事項として、公証役場立会日当や資料取得代行報酬がございます。
家族信託組成の報酬相場は、登記手続きと併せて、概ね、信託財産額の1%前後でと言われています(但し、若干相場は下がってきています。)が、事業者によりかなり落差があります。
ただ、依頼先によって、報酬の支払先の数と内訳が変わります。依頼先を分類すると、司法書士、弁護士又は行政書士、その他民間企業(金融機関含む)があるのですが、まずは、それぞれの行える業務について確認します。以下の表をご覧ください。
家族信託の依頼先
契約書文案作成
登記手続き
司法書士
可
可
弁護士又は行政書士
可
不可
その他民間企業(金融機関含む)
法律上不可
法律上不可
司法書士は全てに対応しているのですが、弁護士又は行政書士は、登記手続きが行えず(行政書士は法的に行えない。弁護士は事実上行っていない)、その他民間企業は、契約書文案作成と登記手続きが法的に行えません。
ここで気になるのが、その他民間企業は、何も出来ないではないかということですが、その他民間企業は、契約書文案作成業務の前提作業となる、どのような信託契約を作るかという骨組みの検討を、契約書文案作成業務から切り取って、コンサルティングないしこれに類する名目で業務を行っています。これを踏まえて、一連の家族信託手続きがどのように処理されるかを示したものが次の図表です。
家族信託組成業務
依頼先/業務名目
コンサルティング
契約書文案作成
登記手続き
司法書士
全て司法書士が処理
弁護士又は行政書士
自社で処理
司法書士へ外注処理
その他民間企業
(金融機関含む)
自社で処理
弁護士又は司法書士へ外注処理
司法書士へ外注処理
依頼先ごとの報酬内訳を図式化したものが次の図表です。
支払先の数が増えることと費用総額が上がることは必ずしも相関しませんが、司法書士意外の依頼先の場合、登記費用を掲載しておらず、安く誤認する可能性があるので注意が必要です。
公証役場の費用と目安
信託契約書の文案を公正証書とするために、公証役場に支払う費用です。
委託者と受託者が公証役場に出頭して作成するのが原則ですが、病院や介護施設、ご自宅へ公証人に出張してもらい作成することも可能です。この場合には、通常の公証役場費用に加えて、出張費用が加算されます。
公証役場の費用は、主に信託財産の額により変動し、目安としましては、信託財産額が5,000万程で5万円前後、1億円程で、7万円前後位です。正確な費用は、信託契約公正証書の文案が出来た段階で、公証役場が教えてくれます。
登録免許税と計算方法
不動産を信託財産とする家族信託をした場合には、その不動産の名義を受託者に移す登記手続きが必要となります。この際の登録免許税は以下の通りです。
土地の固定資産税評価額の0.3%、建物の固定資産税評価額の0.4%で、この合算額となります。
信託口座開設手数料
信託口座の開設の費用は、金融機関により異なり、無償~11万円(消費税込)の費用を徴収されるところまで様々です。
家族信託契約を終えたら、通常、信託された財産のうち、金銭を管理する口座の開設をします。この口座は、信託口座と呼ぼれるもので、一般的な口座と異なり、金融機関側において、受託者個人の財産ではなく、信託財産であるものとして、分別して取り扱われます。どういうことかと言いますと、通常の受託者個人名義の口座であると、受託者が死亡した場合に凍結してしまうことや、受託者が差し押さえを受けたときに、信託された金銭まで差し押さえられてしまいますが、信託口座であれば、こうしたことを避けられます。/
信託組成後の支援を受ける場合の費用
信託組成後の支援とは
家族信託は作って終わりではなく、作ってから受託者の業務が開始します。受託者の業務としては、信託財産の管理や受益者への金銭給付等の他に、日常業務として、信託財産の目録作成、会計帳簿の作成と記帳業務、会計資料の作成、必要に応じて、税務署への毎年の届出があります。
また、最も気をつけたい事項として、信託契約書のメンテナンスがあります。家族信託は新たな仕組みであることから、法務、税務、金融機関対応と、契約時とは異なる状況になり、信託契約の修正が必要となる可能性があるため、その要否をモニタリングしていくことが重要です。
信託組成後の支援とは、こうした信託組成後に必要なる業務等を支援するものです。
信託組成後の支援の形としては、次の3パターンが考えられます。費用目安含め、それぞれ簡単にご説明致します。なお、それぞれのご説明の前に、費用の参考となる後見の場合の費用と、それぞれの端的な比較図を記載します。
信託監督人の費用目安
信託監督人とは、信託法に基づく地位であり、受託者が適切に業務を行っているかを監督する立場あるとともに、受託者業務の相談や指導を行います。後見制度における監督人と近いです。信託監督人は、受託者に対し会計等業務状況についての報告を求めたり、信託財産に重大な損害をもたらす恐れのある受託者の行為を差し止めたり取り消したりする権限を持ちます。この権限があるという意味が、上記表における強制力です。
信託監督人業務を行っている事業者は極めて少なく、費用の目安というのが難しいのですが、類似業務である後見監督人の費用が参考になるかと思います。以下が後見監督人報酬の目安ですが、信託監督人の業務範囲は後見監督人よりも狭いため、以下の金額の半分位が妥当な目安と言えるかもしれません。
受益者代理人の費用目安
受益者代理人とは、その名の通り、受益者を代理する者です。代理する受益者の権利に関する一切(信託42条の規定による責任の免除に係るものを除く)の裁判上又は裁判外の行為をする権限を持ちます。受益者代理人の業務範囲は信託監督人よりも広く、その権限も責任も重いです。
受益者代理人に業務として就いている専門家は極めて少なく、費用相場はまだありませんが、後見人に近い業務負荷が想定されることから、後見人と同レベルが目安となると考えられます。
法務顧問やアドバイザーの費用目安
家族信託の運用に当たり、受託者が適正な運用を出来るように、助言をし、また相談相手となる形です。簡単に言い換えますと、「何かあったら相談対応しますよ」というものです。
信託法上の地位ではなく、受託者に対し強制的な権限を持たないため、受動的な対応となり、信託運用の安全性に寄与する性質のものではないと言えます。
その他の費用が必要となるケース
不動産の名義が故人となっている場合
不動産を信託財産とする家族信託では、信託契約後に受託者への不動産名義変更が必要となりますが、この前提として、不動産名義が委託者となっている必要があります。
そのため、相続登記がされておらず、故人名義となったままであるような場合には、その相続登記手続きを先に行う必要があり、相続登記手続きに伴う登録免許税は、不動産の固定資産税評価額の0.4%が掛かります。また、司法書士に依頼する場合には、司法書士の報酬も別途必要となります。
不動産の名義人の住所や氏名に変更がある場合
不動産の名義が故人となっている場合と同じで、不動産の登記簿上の住所や氏名が、現在(信託登記申請時に添付する、委託者の印鑑証明書上の住所氏名)と異なる場合には、登記簿上の住所や氏名の変更登記手続きを先に行う必要があります。
住所や氏名の変更登記に掛かる費用は、登録免許税が、不動産の個数×1,000円掛かります。また、司法書士に依頼する場合には別途司法書士の報酬が生じます。
不動産の分筆が必要な場合
家族信託を組成するに当たり、土地の分筆をすることがあります。
例としましては、賃貸物件は長男に、自宅は長女に承継させたい場合に、賃貸物件と自宅の敷地が同一地番であると、賃貸部分と自宅部分における土地それぞれの権利を分けて処理することが困難となります。
そのため、土地を、賃貸物件の敷地部分と、自宅の敷地部分に分筆した上で、長男と長女それぞれを受託者とする二つの信託契約を行うことがあります。
既存債務がある場合
金融機関からの借入があり、担保提供している不動産を信託財産とする場合には、家族信託による不動産名義変更について、その金融機関の承諾を得る必要があります。承諾を得ずに行ってしまうと、一括返済を求められるリスクがあるためです。これは、借入の際の金融機関との契約内容に、譲渡する際の事前承諾を要する旨が記載されているためです。
そして、金融機関により対応は異なりますが、家族信託により不動産名義を受託者に移す際には、委託者から受託者への債務引受を求めることがあります。債務引受が必要な場合には、家族信託による不動産名義変更後、債務引受による債務者変更等の登記が必要となり、この登記は、自分で行うことはできず、必ず司法書士が行うこととなるため、司法書士の登記費用が追加で掛かります。
遺言を別途作る場合
家族信託は遺言と同様の機能を備えていますが、この機能は、信託財産のみのものです。信託財産としなかった財産や、信託することのできない財産(定期給付される年金等)については、承継者が決まっていない財産となり、遺産分割協議が必要となります。
遺産相続手続きを円滑なものとされたい場合には、遺産分割協議を省くことが重要で、遺産分割協議を省くには、遺言が必要となります。
そして、遺言作成を別途行う場合には、公正証書で作成するのであれば、公証役場費用が掛かり、司法書士や弁護士に依頼するのであれば、その費用が別途必要となります。
家族信託の変更や終了に伴い必要となる費用
契約内容の変更手続き
家族信託は新たな仕組みであり、現状においても、絶えず情報更新がされています。情報更新は、新たな判例や税務通達、照会回答、登記先例等様々な外部要因により生じるのですが、これに伴い、信託契約書の修正が必要となることがございます。
この信託契約書の修正に、司法書士又は弁護士の費用が発生する可能性があり、また、公証役場費用が発生することもございます。公証役場費用が発生する可能性があるのはなぜかと言いますと、信託口座を開設された金融機関によっては、信託契約を変更する際には、信託口座のある金融機関に事前に確認を取り、かつ、変更は公正証書でしなければならないといったルールがあるためです。
信託の変更登記
信託の登記事項に変更が生じた場合には、それに伴う登記手続きが必要となります。どのような場合に信託の登記事項に変更が生じるかと言いますと、委託者や受益者が亡くなられた場合や、受託者に変更があった場合、信託契約を変更した場合などがございます。
この登記手続きに伴い、司法書士報酬や、登録免許税といった費用が発生します。なお、信託の変更登記の登録免許税は、多くの場合、不動産の個数×1,000円となります。
信託終了の登記
家族信託は、信託法又は信託契約において定めた内容によって終了しますが、家族信託が終了した際に、不動産が信託財産としてあった場合には、その不動産の名義変更登記と信託抹消登記が必要となります。この際に、司法書士の報酬と登録免許税の費用が掛かります。
信託終了に伴う登録免許税は、名義変更が、不動産の固定資産税評価額の0.4%又は2%で、この違いは、信託契約の内容と構成により生じます。信託抹消の登記は、不動産の個数×1,000円となります。
家族信託のご相談は信託相続先生へ
家族信託の費用について、わかりやすく簡単にテーマに解説をさせて頂きました。家族信託の費用のうち、専門家等の報酬部分は、個々の専門家等ごとに大きく異なります。ご注意頂きたいのは、WEBサイトや広告において、信託相続先生円と安い価格が書いてあっても、実は、その費用以外に、弁護士や司法書士の費用が別途掛かるケースや、家族信託の組成段階の費用のみの理解で、その後の支援や終了に伴う費用を考えずにご利用されてしまうことです。
家族信託のご利用は、失敗すると大きな損失となりますし、場合によっては取り返しがつかない事態となりますので、しっかりと説明を受けた上で、慎重にご検討下さい。
最後に、私たち信託相続先生のサービスについて、簡単にご案内をさせていただきます。初回のご相談は無料ですので、家族信託について詳しく知りたい等お気軽にご利用くださいませ。
信託相続先生とは
一般家庭世帯においては、富裕層に行われているような、弁護士や税理士、銀行等による財産に係る専門的な助言を受ける機会が少なく、問題が生じてから対応されるケースが多いのが現状です。
一般家庭世帯にこそ、良質な法務・税務を中心とした、財産の管理・活用・承継に係る総合サービスを届けたい。私達信託相続先生は、こうした想いを共有する専門家によって構築された、複数の専門事業者による共同プロジェクトブランドです。
信託相続先生の特徴1 ~一般家庭も安心の料金体系~
私たちの家族信託サービスは、複数の司法書士がこれまでに培ったノウハウや知見を集約し、効率化、オペレーション共有することで、業界相場とは一線を画す、一般家庭世帯が安心してご利用いただける料金体系を実現しております。
信託相続先生の特徴2~相続や財産活用にも強い総合支援~
家族信託は、財産の管理から相続に至るまでの取り決めを行う仕組みであるため、生活保障(ライフプランニング)、財産活用、円滑・円満な財産承継、相続税といった多角的な視点が極めて重要で、例えば、法務の視点のみで家族信託をしてしまうと、財産の活用が出来なかったり、税対策が出来ていなかったりと、後悔することになりかねません。
この点、信託相続先生では、司法書士を中心としたコンサルティングチームで総合的なサービスをワンストップで提供させて頂いておりますので、安心してお任せいただけます。
信託相続先生の特徴3~司法書士による直接対応~
家族信託サービスは、国家資格ではない、○○コーディネーターや○○信託士といった民間資格が乱立していて、きちんとしたバックボーンのない事業者が多数存在します。
この点、信託相続先生では、国家資格者である司法書士が中心となり、家族信託サービスを提供させて頂いておりますので、安心して高度なサービスをご利用いただけます。
信託相続先生の特徴4~徹底した事後支援とWEB会計システム~
一般的な家族信託サービスは、作って終わりで、その後の支援がされません。このような状況が、司法書士の業界でも問題視されていて、近い将来、家族信託に起因するトラブルが多々生じてくる可能性があります。
私たち信託相続先生では、信託監督人という形で、事後の支援を徹底しており、信託が終了するまで、責任をもってご支援を継続させて頂いております。
また、手間の掛かる受託者の会計関連業務を支援する独自のWEB会計システムを構築しており、これをご利用頂くことで、会計資料や税務署への届出書類が自動作成されるため、受託者の負担が少なく済みます。