家族信託はどこに頼むべき?業種ごとに解説!

家族信託はどこに頼むべき?業種やサービスの違いを徹底解説!

家族信託はどこに頼むべき?

平成19年の信託法改正により、免許を持たない一般の家族間においても信託の仕組みを使えるようになり、これが家族信託と呼ばれるようになりました。超高齢化社会における認知症による資産凍結という社会的課題を背景に、利用される方は年々増え、富裕層だけでなく、自宅で年金暮らしのようなごく一般的なご家庭における利用も広がりつつあります。
こうした中で、家族信託サービスを提供する事業者の数も業種も急速に増えており、家族信託を利用したいとしても、一体どこに頼むべきなのか、お悩みになられる方も多いのではないでしょうか。
本記事は、相続や家族信託サービスの第一線にいる現役の司法書士が、「家族信託をどこに頼むべきなのか」をテーマに解説致します。

家族信託を頼む先を吟味することの重要性

家族信託をどこに頼むべきかを解説するに当たり、まずは、家族信託を頼む先の選択がどれだけ重要かについてご説明致します。家族信託サービスには、次のような危険性があることから、頼む先の吟味が重要となります。

家族信託サービスは誰でも提供出来てしまう

不動産売買、保険販売、金融商品販売等には、規制があり、監督官庁がございます。また、弁護士や司法書士、税理士にも規制があり、自浄作用がございます。
お金や法律、税金といった、消費者に重大な影響を及ぼす可能性のある事業には、試験や研修を通じた資格や懲戒処分などの自浄作用が設けられていて、これにより、そのサービスの安全性を高める仕組みが作られています。
しかしながら、家族信託サービスは、財産の管理や活用、相続に至るまでの取り決めを契約により行う重大なものにも関わらず、試験・研修・資格・登録等が不要で、規制が全くないのです。
「儲かりそうだから家族信託サービスをやろう」と思って、何らの経験がなくても、その日から提供出来てしまうのが家族信託サービスであるため、どこに頼むかの選定がとても大切になります。

家族信託はデメリットもある

家族信託は、新たな仕組みであることもあり、利用することによるデメリットがございます。テーマが異なりますので、ここでは詳細は省きますが、幾つかの例を挙げると次のようなことがございます。
損益通算が出来ない
空家特例の要件を満たさなくなる
借入先が限定される(信託内融資)
証券運用が限定される(信託財産の)
受託者に事務負担が生じる
こうしたデメリットをしっかりと理解・説明せずに、家族信託サービス提供する事業者もいますので、思わぬ不利益が生じて後悔することのないよう、どこに頼むかの選定は重要となります。

作って放置のサービスがほとんど

ほとんどの家族信託サービスは、信託契約書を作成し、登記手続きを行うところまでで、その後の支援は提供していません。
受託者は、信託法上、様々な義務を負い、財産を管理する上では、会計業務があり、賃貸不動産等が信託財産にあるときなどは、毎年税務署への届出が必要となります。また、家族信託が新たな仕組みであるがために、法改正や、新たな判例・税務通達等により、信託契約書を修正する必要が出てくる可能性がございます。
こうした作業を、専門家でない人が行っていくことは容易ではないため、事後の支援が必要となります。
どこに頼むかを選定する上では、ちゃんと、家族信託契約が終わった後もサポートを継続してくれる事業者を探す必要があるでしょう。

この章のまとめ

少し長くなりましたので、簡単にまとめておきます。
家族信託は財産の管理や活用、相続と、重大な決定を行う、非常にデリケートな作業にも関わらず、サービス提供者の能力には何らの保証がなく、大きな差があり、また、一般的には両親の相続が発生するまで継続する長期的な仕組みであるにも関わらず、サービス提供は信託契約と登記までで終わってしまう事業者が多いのが現状です。
そのため、家族信託をどこに頼むべきかについては、切実な問題となります。

家族信託をどこに頼むべきか。業種別比較。

家族信託をどこに頼むべきか。その選定がいかに重要かについて、解説致しました。
では、その選定はどのように考えればよいのでしょうか。家族信託サービスを提供する事業者には、多様な業種がありますので、業種別にその特徴を比較してみましょう。

少し長いので、先にまとめの比較図表を載せておきます。

家族信託の相談先検討用業種別比較図

弁護士

難度の高い試験と研修が必須の国家資格で法律職としての一定の能力が担保された業種です。厳格な職務規定が課せられていて、違反すると弁護士資格を失う等の処分があります。
交渉・訴訟といった紛争事案の代理の他、契約書作成等法律関係の業務全般を行うことが可能です。家族信託を前面に出している弁護士は稀ですが、契約書作成等の基礎能力がしっかりしているため、引き受けさえすれば、しっかりとしたものを作成してくれるでしょう。
ただ、法務視点に偏り、相続税対策や財産活用といった広範囲の視点によるコンサルティングサービスに欠けることが多いことには注意が必要です。

税理士

難度の高い試験と実務経験が必須の国家資格で税に精通する職種としての一定の能力が担保された業種です。弁護士や司法書士と比較すると緩いですが、厳しい職務規定が課せられていて、違反すると税理士資格を失う等の処分があります。
家族信託については、契約書作成や登記手続きは専門外となり、税理士自ら提供ではなく、多くの場合、提携司法書士により提供されています。
家族信託は、相続も含まれる仕組みであるため、相続税対策の意味からは税理士に相談することも考えられます。

司法書士

難度の高い試験と研修が必須の国家資格で法律職としての一定の能力が担保された業種です。厳格な職務規定が課せられていて、違反すると司法書士資格を失う等の処分があります。
登記手続きに精通する唯一の業種で、契約書作成や登記手続き、簡易な訴訟代理等が可能です。
家族信託は、ほとんどのケースにおいて登記手続きが生じることから、どの業種に依頼しても、最終的には司法書士への依頼が生じることとなります。
司法書士は、契約書作成に慣れている人が少なく、家族信託の経験があまりない司法書士ですと、ちぐはぐな契約書を作成されているケースが散見されます。そのため家族信託については、経験のある司法書士でないと難しいでしょう。
なお、家族信託の経験のある司法書士でも、弁護士同様に、法務視点に偏ったサービスとなることが多いことには注意が必要です。

家族信託コーディネーター(士業外企業)

家族信託コーディネーターや家族診断士(以下、家族信託コーディネーター等)を名乗る人がいるのですが、これは、民間資格です。民間資格とは、「いつでも」「誰でも」「自由に」作れる資格です。家族信託コーディネーターを例に挙げると、お金を払って研修を受ければ取得できる資格となっています。そのため、弁護士や司法書士と違い、能力の保証がなく、また、厳格な職務規定もないため、その資格のあること自体に、何らかの信頼が置けるものではないでしょう。
家族信託コーディネーター等の肩書で家族信託サービスを提供しているのは、保険や不動産、その他国家資格を有しない民間企業の従業員が主なようです。(弁護士や司法書士であれば、弁護士や司法書士を名乗る)
家族信託サービスを提供するには、法律相談や契約書作成、登記手続きが必要となるのですが、これらは国家資格者でなければ行えないため、家族信託コーディネーター等は、弁護士や司法書士への、顧客の橋渡しを家族信託サービスとして提供しています。

銀行等

一部の金融機関でも、家族信託サービスの提供をしていますが、家族信託コーディネーター等と同様に、契約書作成や登記手続きを行うことは出来ないため、弁護士や司法書士への顧客の橋渡しをサービスとしています。

家族信託サービスの違いを知ろう!

業種別の特徴等について簡単に解説を致しましたが、同じ業種によるサービスであっても、その内容や費用は異なります。この章では、サービス面での違いについて解説致します。

総合的なコンサルティングの有無

家族信託を利用されたいというお客様のご要望にそのまま従い、家族信託契約を作り、登記手続きまで行うサービスの形と、ご本人様と配偶者様の資産・収支状況、相続関係に至るまでを把握・分析し、相続税対策や財産活用等を含めたプランニングを行った上で、家族信託を含めたその他必要施策を提案・実行する、コンサルティングを含めたサービスの形がございます。
多くの事業者は、前者のみの提供をされているようですが、家族信託というのは、財産の管理・活用から承継に至るまでの道筋を構築することとなる仕組みですので、コンサルティングを含めたサービス提供が、より丁寧で専門性の高いサービスと言えるでしょう。

事後支援による安全性の違い

多くの家族信託サービスが、作って終わりとなっており、信託契約完了後の支援がございません。家族信託は、当事者においては、契約締結が終わってからスタートするものであり、信託契約及び信託法に基づく受託者の業務が開始します。信託契約及び信託法に基づく受託者の業務とは具体的にどうすれば良いのかという点が、通常、専門的知識がなければ分からないでしょう。にも関わらず、信託契約後の支援がなされていないことで、適切とは言えない家族信託の運用が数多く存在していることが想定されるのが現状です。また、家族信託は新たな仕組みであることから、判例や税務通達等が新たに生じることで、契約書の修正が必要になる可能性がございます。新たな判例や税務通達等を確認すること、確認した上で、契約書の修正が必要となるかの判断をすることは、専門的知識がなければ難しいでしょう。
こうした背景から、司法書士の業界において、事後の支援がないことが問題視されていて、事後の支援を基本的に行うべきということが言われています。
事後の支援の形は幾つかございますが、いずれにしても、家族信託サービスを受ける場合には、家族信託が終了するまで、責任をもって対応してくれるサービスを提供している事業者を選択することが重要と言えるでしょう。

費用の違い

家族信託サービスの費用は、一般的に、信託財産額の1%前後と言われていますが、近年では、事業者による価格の落差が大きく広がりつつあります。
安かろう悪かろうのサービスでは意味がありませんが、家族信託サービスの提供を多数行っていくと、信託契約のある程度の分類定型化が可能なことが分かります。こうした経験則を持った事業者は、サービスの品質を落とすことなく、比較的安い費用でサービス提供することが可能となります。
ただ、注意しなければならないのが、WEBサイトやパンフレット等に記載されている料金が、掛かる費用の総額ではなく、自社手数料のみであるケースがあることです。自社手数料は安いため、安くサービス提供してくれる印象を受けても、実際には支払先が複数あり、一般的な費用と大差ないということがございますので注意が必要です。

依頼先により変わる家族信託の費用支払先の数

家族信託を頼むなら司法書士がお勧めだけど、注意点がある

登記まで一気通貫のサービスが可能

司法書士であれば、法律相談から信託契約書草案作成、登記手続きに至るまで、ワンストップで対応可能です。報酬も司法書士のみとなるため、一般的には、複数事業者に支払うよりも割安となるでしょう。

国家資格による能力担保と安全性

合格率3%前後の難関試験を突破し、所定の研修を受けているのが司法書士であることから、一定の能力が担保されています。また、厳格な職務・倫理規定に拘束され、違反すると資格喪失等の処分があることから、センシティブな問題である、家族信託の相談先として信頼に足るでしょう。

家族信託に対する専門性と総合力の欠如に注意

但し、家族信託に必ずしも精通しているわけではないことには注意が必要です。また、財産活用や相続税対策といった分野も含めた総合的な対応が可能な司法書士は少ないので、総合的な対応をご希望される場合には、この点にも注意が必要です。
これらは相談先候補の司法書士のWEBサイトをご確認頂ければわかるでしょう。明確な記載がなければ、期待は出来ないと判断して差し支えないかと思います。

高額な料金に注意

司法書士であれば、登記手続きまで一貫して行えるため、司法書士費用のみで足りますが、支払先が一つになることが、必ずしも、他社より費用が安くなる訳ではないので、注意が必要です。WEBサイト上で料金の計算式や費用例等を確認し、費用目安が不明な場合には、まずは無料相談してみることも検討しましょう。

事後支援がないケースに注意

事後支援サービスの提供が明確にされているか確認しましょう。家族信託を安全に運用するには、事後支援が必要となりますが、この提供がない事業者が多いため、注意が必要です。
事後支援サービスの形態としては、受益者代理人、信託監督人、その他アドバイザーや会計支援等の信託法に定める方法以外の形があるのですが、費用を抑え、かつ、安全性を確保するという目的のためには、信託監督人に就いてもらう形がお勧めです。

事後支援態様ごとの、信託運用の安全性と費用

家族信託を頼むなら、信託相続先生へ!

「家族信託をどこに頼むべきか」につきまして、少し回りくどいところもあったかと思いますが、どこに頼むべきかの検討がなぜ重要なのかという点から解説させて頂きました。
端的な結論致しましては、「総合的なコンサルティングも対応可能」で、「事後支援サービスも提供していて」、「妥当な料金(一般相場が高すぎるので)」の事業者に頼むべきであるということになります。
最後に、私たちの家族信託サービスについて、簡単にご案内させて頂きます。初回のご相談は無料ですので、ご興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問合せ下さいませ。

信託相続先生とは

一般家庭世帯においては、富裕層に行われているような、弁護士や税理士、銀行等による財産に係る専門的な助言を受ける機会が少なく、問題が生じてから対応されるケースが多いのが現状です。
一般家庭世帯にこそ、良質な法務・税務を中心とした、財産の管理・活用・承継に係る総合サービスを届けたい。私達、信託相続先生は、こうした想いを共有する専門家によって構築された、複数の専門事業者による共同プロジェクトブランドです。

信託相続先生の家族信託の特徴1 総合的支援で安心!

家族信託は、財産の管理から相続に至るまでの取り決めを行う仕組みであるため、生活保障(ライフプランニング)、財産活用、円滑・円満な財産承継、相続税といった多角的な視点が極めて重要で、例えば、法務の視点のみで家族信託をしてしまうと、財産の活用が出来なかったり、税対策が出来ていなかったりと、後悔することになりかねません。
この点、信託相続先生では、司法書士を中心としたコンサルティングチームで総合的なサービスをワンストップで提供させて頂いております。

信託相続先生の家族信託の特徴2~司法書士による直接対応~

信託相続先生では、司法書士が直接お客様のご相談を伺います。司法書士は、守秘義務があり、職務や職業倫理が厳しく規定された国家資格者で、法律知識とその能力が、試験と研修により担保されていますので、安心してご相談を頂けます。

信託相続先生の家族信託の特徴3~安心の事後支援~

一般的な家族信託サービスは、作って終わりで、その後の支援がされません。このような状況が、司法書士の業界でも問題視されていて、近い将来、家族信託に起因するトラブルが多々生じてくる可能性があります。
この点、信託相続先生では、事後の支援を徹底したサービスを提供しております。信託が終了するまで、責任をもってご支援を継続しますので、安心・安全な家族信託のご利用をいただけます。

信託相続先生の家族信託の特徴4~信託会計システム~

受託者の日常業務として、会計処理業務がございます。具体的には、会計帳簿を付けて、会計資料を作成し、必要に応じて税務署への届出を行うのですが、これが中々大変です。
信託相続先生では、こうした会計処理業務を支援する独自のWEBシステムを構築しており、これにより、会計資料や税務署への届出書類が自働で作成されるため、受託者様の手間を省き、安心してご利用いただきます。

司法書士 飯田 真司

<strong>飯田 真司</strong>

信託相続先生の司法書士飯田真司と申します。大学在学中はお笑い芸人を目指していたものの、挫折し、司法書士の道へと方向転換致しました。司法書士として頑張りつつも、たまに漫才イベントを企画しています。

専門分野・得意分野
家族信託、相続関連
資格
  • 司法書士(法人登録番号:11-00552、登録番号:6918)
  • 簡裁代理(認定番号:1401068)
所属団体名
東京司法書士会
所属事務所
司法書士法人クラフトライフ
所属事務所の所在地
東京都世田谷区用賀4丁目28番21号

活動実績・専門分野

財産の管理・承継に関するリスクマネジメントとその手続きを専門分野とする。司法書士の専門である法務だけでなく、税務、財産活用等多角的な視点による提案力が強み。大手保険代理店、医療法人、社会福祉協議会等、セミナーや勉強会実績多数。

  • 相続登記
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  • 不動産活用

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私たちは、司法書士と税理士を中心とする、相続や家族信託のプロフェッショナルです。「何をすればいいか分からない」といった段階からご相談頂けますので、お気軽にご相談下さい。

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